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Phoenix OSAQA

掲載日:2009年5月2日

PhoenixOSAQA2009 弦楽四重奏育成 更に充実 JSQ公開講習会・公演



弦楽四重奏育成 更に充実 JSQ公開講習会・公演

若手8団体を、700人が見守る


2009年3月のマスタークラス

2009年3月のマスタークラス


ザ・フェニックスホールは、弦楽四重奏に携わる若い演奏家の育成と聴衆拡大を目指す教育啓蒙プログラム「Phoenix OSAQA(フェニックス・オーサカ)」を前年に引き続き2009年も3月29日(日)から3日間、ホールとリハーサル室を会場に開催しました。1994年結成、ベートーヴェン作品の演奏で「国内ナンバーワン」の評価を得ている弦楽四重奏団「ジャパン・ストリング・クヮルテット(JSQ)」がマスタークラス(講習会)を公開で開催、若手の弦楽四重奏団8グループが学びました。マスタークラスに来聴された室内楽ファンは約550人と、前年から一気に倍増し、関心の広がりを示しました。

古今の名作 人類の宝

ヴァイオリン2本とヴィオラ・チェロ各1本で構成される室内楽、弦楽四重奏。ルーツはウィーン古典派のハイドン、あるいはそれに先立つバロック期のボッケリーニにさかのぼると言われています。ベートーヴェンをはじめとする古今の作曲家が、交響楽や管弦楽作品と同様、実に多くの名作を残し、欧米の都市では盛んに演奏されています。しかし、関西はじめ日本の社会ではオーケストラのコンサートや、ピアノ、ヴァイオリンのリサイタルなどに比べると、公演数は多いとは言えません。オーケストラ作品に比べ、作品の多くは作曲家の内面を真摯に記したものが多く、音楽としては深く、渋いジャンルであることが影響しているかもしれません。しかし人類の文化遺産であることに変わりはなく、その振興が求められています。また関西では最近まで、所属学校や団体など活動拠点の異なる若手の弦楽四重奏団が共に学ぶ機会がほとんどなく、演奏家・聴衆の双方の分野で「裾野」が広がりづらい面がありました。私たちザ・フェニックスホールは、関西における「室内楽の殿堂」として、先人たちの残した「名作の森」を多くの方に知ってもらいたいと強く願っており、この事業を営んでいます。
講師役のJSQは、久保陽子さん・久合田緑さん(以上ヴァイオリン)、菅沼準二さん(ヴィオラ)、岩崎洸さん(チェロ)といった、まさに日本を代表するベテラン奏者で構成しています。マスタークラスの前日、28日(土)にザ・フェニックスホールで行われたコンサートで来演は11回目。私たちホールにとってほとんどレジデント(専属)のような位置付けの団体です。

東京、名古屋からも

今回、指導を受けた弦楽四重奏団は8団体。大阪、京都のほか、東京や名古屋から参加がありました。20歳前後の音大生が軸でしたが、高校生のグループや大学卒業後も活動を続けている仲間たちのグループの参加もありました。
マスタークラスは、一コマ70分。午前10時半から午後5時半まで断続的に、ホール本体とリハーサル室で同時並行的に開かれました。題材は、JSQが得意とするベートーヴェンの弦楽四重奏曲。若手グループが選んだのは、第2番、第4番、第5番、第11番とさまざまでしたが、JSQのメンバーは「弦楽四重奏の聖典」とも呼ばれる作品に長年、取り組み続けているだけあって、作曲の背景説明、解釈から指や弓の動かし方、さらには様々な筋肉の使い方など、演奏に関わる「奥義」の数々がしめされました。「何事も徹底することが大切」。「曲の流れにしたがい、弦楽四重奏の中で自分が果たす役割を知り、他の人々と協働すること」。こうした指導は、単に音楽の教授であることを超えて、一人ひとりが社会の中で生きる上で重要な示唆をも含んでいるように思われました。

関心集めた修了公演

最終日31日(火)の午後には、これら受講生の修了コンサートをザ・フェニックスホール本体で無料開催。200人を大きく超える聴衆の皆さんが詰め掛け、また講師のJSQも見守る中で、若者たちは受けた指導を確かめるように、真摯な演奏を繰り広げました。若いエネルギーを結集して奏でる音楽は、たとえ小さな瑕(きず)はあっても、安定したプロの演奏とは違った清新さに溢れ、聴き手には実に快いものでした。
受講生からは、「音楽の方向性や響きのバランス、ホールでの音の響かせ方など、カルテットならではのレッスンを受けることができました」「4人で一つの音楽を作っていく過程でやるべきこと、練習するにあたって気をつけるべきことなど、たくさんの知識をいただきました」といった声が寄せられました。また、講習会をご覧になった聴衆からも「演奏会では味わえない、音がつくられていく過程を共有できることは、とても勉強になります」「先生方の熱心さに感心しました。受講生の皆さんもよく練習してこられていると思いました。これからが楽しみ」といった感想をいただいています。

未来の名門 育てて

私たちホールは2009年度以降も引き続き、この事業を継続的に開催します。次回開催は、2010年3月6日(土)から8日(月)。講師は同じくJSQで、詳細は2009年6月ごろ 7月末に発表します。
この事業のポイントは「聴いて育てる未来の名門」にあります。若い演奏家は、多くの、耳の肥えた方に聴いてもらうことで成長します。弾き手と聴き手を繋ぎつつ、弦楽四重奏の発展を期す「Phoenix OSAQA」。次回も多くの方々のご参加をお待ちしています。